夜明け前のケトルの光
音だけ浮いて心が追いつかない
オレンジ射した窓際
世界が僕らより先行く
指はコードなぞるのに
ペン先のインクは冷えたまま
床に落ちた音集めても
触れた分だけ消えていく
空はフェーダー少し上げたreverbsみたいに明るい
負ける気なんてないけれど
世界の感覚と僕はきっとずれてる
読みかけた雑誌の隙間に垂らした
インクの跡が美しい
髪を引かれるノイズに恋して
伝える言葉を諦めた
始めた頃溢れるほど言葉の形が綺麗だった
透き通ったfeedback言葉を抱いて
心をreverbsみたい乾かしてくれたね